『本棚の中のニッポン』の感想

大先輩の著書『本棚の中のニッポン』の感想です。

海外への情報発信はできないけれど、まずは身近に情報発信。


  • 資料の入手のしにくさ

資料の入手のしにくさは自分が収書業務をしているので、国内にいても感じます。
自治体史や各地の美術館博物館等の発行物は支払方法が限られており、図書館からの発注ができません。多くは現金書留か郵便振替です。
図書館としても銀行振り込みでしか対応できないので、結局は先生方に自分で購入してもらい、後で立替払いになります。

海外出版物の入手を依頼されたとき、購入できない場合もあります。
その分野・地域に強い書店さんに依頼しますが、発行が古いものは難しい場合が多いです。
amazonやネット書店も調べますが、見つけられてもamazonからの購入も適した書類がそろわないためにできません。

図書館として、銀行振り込み以外の方法に対応できればいいのにとも思います。
国内にいても手間がかかる購入方法なので、海外の図書館がクレジットでの購入ができなくて嘆く気持ちに共感してしまいます。


  • コンタクトアドレス

コンタクトアドレスをわかるところに書いてほしいという一文も見て、自分の図書館を確認してみると見つけれませんでした。
TELとFAXはあるのですがメールアドレスはありません。時差や言語を考えると問い合わせはしにくい気がします。


  • "場"としての活用

国際文化会館が研究者の交流の場となっているという話。
海外で日本研究する人が少なく、それをサポートできるところも少ないから、
利用しやすいところには集中するということですよね。
本書で強く言われるようにデジタル資料の不足は改善していったほしいし、一方でこういった場での交流も続いてほしいと感じました。


  • 自分ができること

自分ができることはなんだろうと考えます。
海外との直接のやり取りはないです。問い合わせも受けません。
カウンターで留学生さんに応対するくらいで、しかも文学部に来る留学生さんは日本語がお上手。
図書館報の編集担当を去年していて、新入生に使いやすい小冊子を作りました。
好評なら英語版もとのことで、各図書室のウェブサイトの英語を見てましたが、日本語のより記述が少ない。
「但し〜」の部分とかはほぼ訳されてなくて、利用者は困らないのかなと不安になりました。
コンタクトアドレスもなかったしまずは自分の図書館の英語サイトの充実でしょうか。
担当さんに聞いてみるところからスタートで。


  • 読んでほしい人

この本を薦めたいのは日本史や国文の学生さん研究者の方。
日本研究されてる外国の方が一番情報を求めている分野だと思います。日本の情報を求められていることを知ってほしいなと思います。
が自分自身日本史専攻していましたが、英語に苦手意識が強いです。英語を使わなくてもいいから日本史を選んだとも言えるくらい。
全員がそうではないでしょうが、この分野の方は英語への苦手意識がある人が多いのではないでしょうか。
のでそんな海外に発信したいけれど自信ない人向けセミナーをやってほしい!
国際課とか留学生課とかと連携したり。

たしか学内で英文誌投稿の説明会をやってたはず。こんな感じのものを。
http://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/modules/bulletin/article.php?storyid=928


とりあえず、読んで思ったことをつらつら書きました。



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