KURA茶話会に行ってきました

10/18、KURA茶話会に行ってきました。


KURAとは京都大学学術研究支援室のことで、「科研費申請書の教科書」を作成されたところです。

京都大学 学術研究支援室 | Kyoto University Research Administration Office (KURA)

KURAさんは研究会を月1程度行っており、それ以外にもランチミーティングもされてます。

図書系職員と話がしたいとランチや終業後にお話しする場を設けていただいたこともありました。研究者が研究しやすい環境を整えるというのは図書館員と通じます。


今回は「農業コミュニティの社会関係資本:“つなぐ”役割の検証」という題で、こころの未来研究センターの内田由紀子先生のお話を伺いました。
こころの未来研究センターは英語名もKokoro Research Centerで、2008年に設置された新しいセンターです。

内田先生は社会心理学がご専門で、対人関係・コミュニティ・幸福感などを調べられてます。

農業と心理学に何の関係があるのかと思ってましたが、コミュニティ論というかコミュニケーション論のお話だったと思います。



地域ネットワークを支え、絆をつくる(=社会関係資本を生成・維持する)ための職業的役割がスムーズにいくのはどのような時か?を問いとし、「普及指導員」という存在を調査し。
普及指導員というのは初めて聞いたのですが、「農業者に直に接して、農業技術の指導・経営相談・農業に関する情報提供などを行う都道府県の職員」だそうで、全国に7,000名ほどいるとか。

仕事内容は

  • スペシャリスト機能:農業に関する高度な技術及び当該技術に関する知識の普及指導を行う機能
  • コーディネート機能:先導的な役割を担う農業者及び地域内外の関係機関との連携の下、関係者による将来展望の共有、課題の明確化、課題に対応するための方策の策定及び実施等を支援する機能


この普及指導員を対象にした調査を行い、その検証結果を聞きました。

  • ロールモデルの特徴
    • 10年程度上の先輩が対象になることが多い(10年で一人前といわれるからか、自分の新人の時の指導役をイメージされているようだ)
    • 「他者思考」「情熱」「チームワーク」というのが他の公務員と異なるキーワード
  • 村社会の問題解決に貢献する普及活動は?の問い
    • 「生産技術の紹介」というスペシャリスト機能は効果量が低い、「農業者同士の連携」「関係機関と連携調整」というコーディネート機能は効果量が高い
    • スペシャリスト機能が低いからと言って不要なわけではない。両輪が必要。スペシャル性があることでの信頼性。
  • 地域住民の信頼性・信頼感を向上させる普及指導員の特徴は?
    • 本人の特徴:「他の関係機関との連携活動能力」「コミュニケーション能力・対人関係能力」
    • その他の要因:「職場の人間関係」「地域との結びつき」

以上、お昼休憩の30〜40分ほどの時間でしたがもっと聞きたい内容でした。
普及指導員って図書館員だ!と思いました。主催者のURAさんも当てはまります。
専門性がないとコーディネートできなくて、高い効果(満足)を得られない…耳が痛い
JAや農薬会社とも協同=書店・出版者・ベンダーと協同
他の関係機関との連携活動能力=MALUI連携


期待していなかったわけではないですが、こんなに自分にも当てはまると思う話を聞けるとは思ってませんでした。
関係なさそうな発表・イベントでもつながりそうなことを得られることが分かり、タイトルだけで関係ないわと思わず、いろいろ行ってみるもんだなと思いました。


誘っていただきありがとうございました。


10月は研修や授業準備でバタバタしてました。せめて1ヶ月に1度は書かないといけないと思ってるけど…
短期研修やアカデメイアさんとの勉強会、覚えているうちに書きたいと思います。

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