第11回情報メディア学会研究大会に参加しました

参加してから、のそのそしている間にずいぶんと時間が経ってしまいました。Yの初投稿となります。

先だって7月7日七夕に筑波大学東京キャンパスにて開催された、情報メディア学会の研究大会に参加しました。

*千葉大・竹内先生の基調講演「アカデミック・リンクは何をめざしているか 高等教育における図書館を基盤とした新たな学習環境の構築に向けて」

と、

*パネルディスカッション「重なり合う実空間と電子空間:ラーニングコモンズ×ディスカバリサービス」

*ポスター発表

という内容でした。Ustのアーカイヴもありますので、詳細な内容については特に書き留めず、個人的に気になったところをメモします。
またポスター発表については勉強不足もあってコメントできないものも多く、割愛いたします。


◎千葉大アカデミック・リンク始動

噂のアカデミック・リンクの滑り出し。
図書館や本部だけでなく全学をまきこむ取り組みにできたのは、部局だけではなく全学で行動することが必要という意識があったからだそうです。
うーん、参考にするには状況が真逆。

プロジェクトを進めていくなかでよかったこととして、「教員にとって図書館員が匿名でなくなる」ということが印象的でした。大学のリソースの方向性を決定していくのは、研究者である教員によるところも大きいはずです。
教員と図書館員がお互いに組織越しに話し合うよりも、顔や性格がわかった上でのほうが同じ仕事をすすめるときには楽に動けるのでしょう。

学生に「見えない」資料を見えるようにするのが今後の課題とのこと。「場」の整備の次は「コンテンツ」の整備を目指しているそうです。
貸すだけで終わらない、図書館に書店を併設する計画もすすんでいるらしいので、またその後の様子に注目したいです。

講演中に書名が上がっていたのがこちら→
吉見俊哉『大学とは何か』岩波書店,2011

大学とは何か (岩波新書)

大学とは何か (岩波新書)


◎パネルディスカッション

自分の考えがまとまっていないので、箇条書き的になります…。

・学生の「まなび」は変化したのか、それともしていないのか。
変化(教員からの一方通行→双方向→学生同士)
変化していない(みんな集まる快適空間でわいわい勉強。ファミレス勉強派)
プライベートスペースより、パブリックでありながら半分プライベートな側面を持つところが勉強しやすいのでは。
飲食禁止のうち飲料はペットボトル・水筒可くらいにゆるめたゾーンを増やしてはどうかなと思う。
・実空間としての図書館(ラーコモ)≒仮想空間でのディスカバリーサービス?
ここのところの関連が最後までいまいち噛み砕けなかった…
・学生は自分で勉強、自分で検索→では図書館員は要らない?
ラーコモで「図書館員は何するの」に答えるとするなら、場のマネジメントか。でもそれって図書館員じゃなくてもいいような気がする。
・「図書館への期待は高まっている」
コンテンツを使わないでどうする、というスタンスには全面的に賛成。でも保存・保管の観点も大事にしなきゃと思うこのごろ。さじ加減の基準は?

図書館の役割へのある種悲観的な見方と、楽観的な見方の両方が示されたように思います。


私もそうでしたが、非会員の方の参加が非常に多かったそうで。
企画やテーマ設定・ゲストなどを、魅力的に設定された企画者の方の手腕がすばらしいと思いました。

kul150回目「ライデン大学図書館の日本古典籍資料と向き合って」

訂正7/18 151回目→150回目
記念すべき会と言ってたのに。失礼しました。ご指摘ありがとうございます。



ku-librarians勉強会の記念すべき150回目「ライデン大学図書館の日本古典籍資料と向き合って」というタイトルで、NDLの奥田さんのお話を伺いました。


2月の勉強会の渡辺さんからのご推薦で実現した企画です。つながっていくのはうれしいです!

  • 簡単にまとめると…

オランダのライデン大学という日本との所縁も深いところに、長期派遣で2年間滞在されていた。修士過程の課題で、蔵書のデジタル化のプロジェクトマネジメントを考える。

ライデン大学の古典籍はとても珍しいというものはなく、日本にあるものも多く、すでにデジタル化されているので意義はあるのかと考えてしまった。古典籍への書き込み、ラテン名とか所蔵のメモとか押し葉とか…こういうのも含めてデジタル化してはどうか。

さらに修士論文を書くために、日本古典籍の中でもホフマンコレクションの調査。旧蔵書目録や来歴情報をまとめる。今後はもっと文脈を広げたい。(ヨーロッパ言語学史からのホフマン、中国資料蒐集におけるホフマン、ヨーロッパにおける1880年以前の日本資料流通といった観点)

オランダでのデジタル化は欧州デジタル文化遺産プロジェクトやデジタル遺産ネーデルランドというワンストップポータルが作られている。
国際共同の研究に企画運営に携わる図書館員について、情報交換したい。

  • 気になったところ
    • 筆跡やナンバリングを基にホフマン蔵書を特定していく過程がすごく面白い。「自分の目を信じるだけでなく、それ以外の資料で裏付けを取る。」探偵のように、付与されている記号や数字を追いかけて、ホフマンの棚に並んでた順ということが判明したというのは鳥肌ものです。
    • 「日本から言った人がやって日本だけで評価するのではなく、現地の人も巻き込みたい。オランダの人にとってのメリットは何かを考えないといけない。資金も獲得できない。日本向けの目録だけでなく、現地の人と協力して現地のルールにも適した目録も一緒に作る。」
    • 図書館が貢献できるフィールドはもっとある。「CiNiiで検索できないと存在しないと思われるように、まな板に乗せる・ステージに乗せるのと同じ。

よくわかっていないものは多く持っているところにある。眠ったものが多いところに働いている人はまな板の上に乗せるのも使命。」




勉強会でも感想を求められた時に少し話したのですが、前掛長も蔵書の調査をされるのが好きな方で、お別れの前に「文学部の図書館にはまだまだ面白い本があるので、職員のうちにいろいろ調べてください」と言われて、せっかく蔵書最大の文学部の図書館なんだから何かしたいなと思った。
けど蔵書調査って?書誌学って?てな感じでなにもできず。
奥田さんも古典籍のことは何も知らなかったと仰ってて、驚いた。
少しずつでもどんな資料があるか知るだけでもやってみないと。
まな板に乗せる前の、貯蔵庫に何があるか確認して、レシピを考える感じでしょうか。



そして勉強会全体で思ったことは、もっと意見・質問を言えるようにならないと。
興味深い!と思って聞くことはできるんだけど、じゃあ自分はとか自分の図書館はとか引き寄せて考えるとか、せめて感想くらいは言えるようになりたい。
1年目の新人発表のとき「毎回質問ができるようになる」と目標にしていたのに…頑張ります。


  • [参考]

話題に出てきたオランダのエルゼビアとBrillとの協力。
奨学金は前回の勉強会でも出てきた話題。海外では一般的なのだな。

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Kの参加報告は立派やわ。勉強になります。



S

日本図書館研究会 第290回研究例会に参加しました

去る2012年6月30日(土)、日本図書館研究会第290回研究例会に参加させて頂きました。

以下、まずご発表内容をまとめ、次に、参加しての感想・考えたことを少し述べて、私のブログ初投稿記事とさせて頂きたいと思います♪


《概要》

テーマ:公立図書館におけるレファレンスサービスの現在
発表者:渡辺斉志氏(国立国会図書館関西館)
日 時:2012年6月30日(土) 18:30〜20:30
会 場:大阪市立総合生涯学習センター 第5研修室
要 旨:
インターネットが普及する中,公立図書館のレファレンスサービスの件数がどのように変化しているのかを統計データを基に分析し,その傾向を把握する。また,それと併せて,レファレンスサービスが図書館外の世界(殊に地方行政の観点)から「過剰サービス」と捉えられがちであることを概観する。その上で,こうした社会環境の変化の中で,レファレンスサービス自体を,カウンターでの質問回答のような直接サービス(及びコレクションの構築のような間接サービス)にとどめるのでなく,広く地方自治体の行政施策の中に位置づける必要があることを論じる。

U R L:http://www.nal-lib.jp/events/reikai/2012/290invit.html


《まとめ》

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1.レファレンスサービスへの視線

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■ レファレンスサービスの起源

サミュエル・グリーン (Samuel Green, 1837-1918, マサチューセッツ州ウースター公共図書館) が、1876年第1回全米図書館大会において、「利用者に対する人的援助」を提唱

(背景) 移民、識字率の問題 / 支持を集めて寄付を募りたい
→そもそも「図書館が役に立つ」ことを示し、価値を向上させるために始められた。


■ 日本でのレファレンスサービスの位置付けの変化

1990年代初めには、貸出サービス>レファレンスサービスという位置づけであったが、2000年代には貸出とあわせて不可欠なサービスとして位置づけられるようになっている。

日本図書館協会図書館ハンドブック編集委員会編集 『図書館ハンドブック』第5版, 1990年, p.68-69.

第II章 図書館サービス B貸出 1貸出の意味
資料提供は貸出とレファレンスからなっているが,なかでも貸出はその基礎として最も重要なサービスであり,いくら伸ばしても伸ばしすぎるということはない.

        ↓

公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準
(平成13年7月18日文部科学省告示第132号)
http://www.mext.go.jp/a_menu/01_l/08052911/1282451.htm

二 市町村立図書館
(三)レファレンス・サービス等
他の図書館等と連携しつつ、電子メール等の通信手段の活用や外部情報の利用にも配慮しながら、住民の求める事項について、資料 及び情報の提供又は紹介などを行うレファレンス・サービスの充実・高度化に努めるとともに、地域の状況に応じ、学習機会に関する情報その他の情報の提供を行うレフェラル・サービスの充実にも努めるものとする。

        ↓

『これからの図書館像−地域を支える情報拠点をめざして−(報告)』平成18年3月
http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/286184/www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/04/06032701.htm

2. これからの図書館サービスに求められる新たな視点
(2) レファレンスサービスの充実と利用促進
今後は、貸出サービスのみを優先することなく、レファレンスサービスを不可欠のサービスと位置づけ、その利用を促進するような体制と環境を用意することが必要である。


■ レファレンスサービスに対する図書館員の意識

『図書館職員の資格取得及び研修に関する調査研究報告書(平成19年3月)』
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/tosho/houkoku/07090599.htm

「第3章 公立図書館における司書有資格者の実態調査 3-2.(4) 5.行うべき図書館業務」
→断トツ1位はレファレンスサービス。
  図書館員はレファレンスサービスを重要視している。

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2.サービスの動向

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■ インターネットによるレファレンスサービスへのインパク

通説=「質問件数は減少」「高難易度化」
   → 本当か?サービス件数の推移を統計から検証。

  • 質問件数

公共図書館数が50以上ある都道府県のうち、平成14年〜21年の貸出・レファレンス統計を公表している館の比率が70%以上の都道府県=静岡・神奈川・富山の市町村立図書館、および全国の都道府県立図書館で検証。

  • 難易度

平成14年〜平成20年の都道府県立図書館のレファレンス事例を検証。
事項調査は減少傾向であり、レファレンス件数の増減は所蔵調査の増減によって大きく規定される。


■ つまり実態は…

  • レファレンスサービスが不活発な図書館では件数は増加、活発な図書館では減少

※ただし、不活発な館が件数を伸ばすのは比較的容易だが、既に活発に実施している館が伸ばすのは難しい。

  • 所蔵調査を、事項調査に比して簡単なレファレンスとみなすとすれば、むしろ低難易度化
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3.サービスを取り巻く状況

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■ 図書館に頼る必要性の低下

書誌検索ツールの整備、インターネットによる情報探索手段の充実。
→より難易度が高い質問が寄せられるようになった、と言われているが、2で見たように、これは妥当とは言い難い。

■ 情報サービス機関としての地位の相対性(ライバルの存在)

e.g. Yahoo!知恵袋
レファレンスサービスは、蔵書(情報源)の質・量が制約的な要因となる。

■ レファレンスサービスの低認知度

■ 敷居の低さ

読書相談やレファレンス等には心理的障壁がつきもの。
ネット上の質問回答サービスは匿名性が担保されている。
⇒受動的な質問回答では普及に限界。
 必要とされなくなりつつある、という側面も確かにある。

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4.レファレンスサービスから情報サービスへ〜展開の可能性と限界〜

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■ レファレンスサービス・情報サービスの充実を図るためにはマーケティングが不可欠


情報サービス

  • 能動的な情報発信(カレントアウェアネスサービス、SDIサービス)
  • リテラシー教育


情報サービス充実には、体制整備に加えてマーケティングが不可欠。
(広告/宣伝/ブランディング/市場調査/分析 etc.)
しかし、例えば市場調査は利用者データの問題があるので難しい。
公立図書館はどこまでマーケティングを行えるのか?

図書館の地位を相対化すれば、情報サービスは図書館の専売特許ではない。
また、図書館内の基盤が弱体化し(正規職員の減少等)、情報の組織化に充てられるリソースがもはや無いという状況にあって、情報サービスの充実で展開を図るのは厳しい。


■ レファレンス協同データベースへの誤解

レファレンス協同データベース http://crd.ndl.go.jp/jp/public/

費用対効果の追求→レファ協での共有
→パスファインダーとして機能し、類似事例のコスト削減に繋がる。
  ただし、回答コスト全体の削減効果は「?」
レファ協があるから司書を減らしてよい、ということにはならないはず。
→むしろレファ協では、情報サービスにおける図書館のプレゼンス向上
  の方が期待されるのでは?
  (インターネットで検索したらレファ協がヒット
   →図書館の取り組みを知ってもらえる。)

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5.レファレンスサービスへの問題提起

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石原都知事の発言(2006年)
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2006/061020.htm
   
■ 大阪版市場化テスト(2009年)
http://www.pref.osaka.jp/attach/3231/00008135/211002%20singigaiyou.pdf

→レファレンスサービスは「不要」ないしは「縮小可能」?

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6.レファレンスサービスの再定義

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■ レファレンスサービスが失われるとどうなる?

質問を受け付けない、ということはできないので、できる範囲で答えることになる。
レファレンスサービスに投入されるリソースが縮小されれば、地域の知的生産活動の基盤はおそらく弱体化。

■ 維持するためには、位置づけの見直し、が必要

→「サービス+政策へのコミット」
  (図書館員は「優れたサービスの提供者」 兼「地域づくりのアクター」)


■ 地方行政全体の政策の中に位置づける

(e.g.) 子育て支援(ブックスタート)、高齢者福祉(対面朗読)、学校教育、
    経済政策(ビジネス支援)、議員(市民の代表)の活動のサポート、
    行政職員(市民のために働く人)の活動のサポート etc.
→脇役としての役割
→レファレンスサービスも、「脇役」としての役割の中でも活かされるような業務設計が必要

図書館という"カード" "隠し味" "調味料"を地域づくりに使う、という視点を持つことがポイント。
図書館が主役を演じている領域に固執することはない。
図書館の脇役としての役割は、主体性を失うということではなく、縦割りの弊害からの脱却。
主役としての役割と脇役としての役割を高水準でバランスさせることが重要。
これは大学でも言えること。
文書館を設置している大学があるが、大学でも地域でも、M・L・Aが連携すれば、その機関・地域に対するアイデンティティの確立や、機関・地域に対するロイヤルティを高めることができる。

「利用されている(需要がある)」という事実だけでは公共事業として行う意義を示すことはできない。
公的機関である以上、利用しない人もその意義を理解していることが大切。
公立図書館は設置母体(=地方公共団体)が直面する政策課題の解決に、いかに寄与できるか?
利用者への質問回答にとどまらない、他の貢献の仕方もある。
本と人を結びつけるのと同時に、人と人とを結びつけることも必要。
もちろん、これまでに図書館関係者が積み重ねてきた努力は貴重な財産。
例えば(利用者に限定されるとはいえ)ステークホルダーとの間に築いてきた信頼関係、など。


《感じたこと、考えたこと》

今回のご発表で取り上げられていたのは公立図書館でしたが、近年のレファレンスサービスの傾向や、社会環境等の変化の中でどう位置づけるか、などについて勉強させて頂きたいと思い、参加しました。

まず最初に、とても興味深く感じられたのは、統計データの検証でした。
たくさんのグラフを拝見しましたが、通説を鵜呑みにせず、実情を検証して考えることがいかに重要か、ということを感じた部分です。

そしてやはり最も刺激的だったのは、「脇役としての図書館」のお話でした。

自分の立場に当てはめて「大学が直面する課題にいかに寄与できるか」「脇役としてどのようなことができるか」と考えた時に、「大学の運営、それに携わる教職員等に対するサポート」をまず思い浮かべました。
大学図書館は、先生方や学生、研究者が利用するもの、と捉えられてしまうかもしれませんが、大学の運営等に関わっておられる方々にも、図書館のリソースを、仕事にもっと活用して頂きたいなと感じます。
また、ご発表の中で言及されていたMLA連携は私も重要だと感じました。

しかし「具体的にどのように業務設計をすればよいか」ということについては、まだはっきりとイメージできていないので、次の機会に伺ってみたいと思います。

公立図書館でも大学図書館でも、レファレンスサービスの認知度の低さが一つの問題になっていると思いますが、その改善に向けた取り組みを考える際にも、図書館員自身が「役に立つサービス」「図書館員が行うべきサービス」とみなすだけではなく、「ではどのように役に立てるか」「図書館員が行う意味は何か」を、より広く、図書館のポジションを相対化した中で考えることが大切、ということを、今回のご発表から感じました。

ここしばらく目の前の仕事をこなすのに精一杯でしたので、中長期的な視野の広い考え方を伺えたのはとても有意義で、この視点を業務にも活かしていきたいと思っています。

公立図書館と大学図書館では、異なる側面もありますので、今回のお話をもとに、大学図書館でのレファレンスサービスについてはどうか、考えていきたいと思いました。

(自分用メモ)

  • 諏訪敏幸. サミュエル・グリーンの「民衆図書館」:1876 年論文の28 事例から見えるもの. 情報化社会・メディア研究 3, p.85-96, 2006. http://ci.nii.ac.jp/naid/110006949613
  • 安藤誕, 井上真琴. インターネット時代の"レファレンスライブラリアン"とは誰か?. 情報の科学と技術 58(7), 329-334, 2008. http://ci.nii.ac.jp/naid/110006793614

  →参考業務の一館平均件数は減少傾向にあるよう。

研究支援の学内組織

京都大学学術支援研究室http://www.kura.kyoto-u.ac.jp/の方とお話ししました。

 

2012年4月に設置されました。競争的資金の情報を集約したり、申請書の書き方サポートをしたり、研究成果の広報(アカデミックデイの開催)をしたりしているそうです.

 

 

広報で見て気になっていた『共同研究(になるかも)相手相談所』というサービスをしているのは学際融合研究推進センターhttp://www.cpier.kyoto-u.ac.jpというまた別の組織でした.

いろいろあります。

 

学内のことをもっと知らないと!

研究支援の学内組織

学術支援研究室の方とお話ししました。今年の4月に設置されたリサーチアドミニストレータの組織です。

「共同研究(になるかも)相手相談所」というサービスをしてるのは学際融合研究推進センターというまた別の組織でした。

学内のことをもっと知らないと!

S

『本棚の中のニッポン』の感想

大先輩の著書『本棚の中のニッポン』の感想です。

海外への情報発信はできないけれど、まずは身近に情報発信。


  • 資料の入手のしにくさ

資料の入手のしにくさは自分が収書業務をしているので、国内にいても感じます。
自治体史や各地の美術館博物館等の発行物は支払方法が限られており、図書館からの発注ができません。多くは現金書留か郵便振替です。
図書館としても銀行振り込みでしか対応できないので、結局は先生方に自分で購入してもらい、後で立替払いになります。

海外出版物の入手を依頼されたとき、購入できない場合もあります。
その分野・地域に強い書店さんに依頼しますが、発行が古いものは難しい場合が多いです。
amazonやネット書店も調べますが、見つけられてもamazonからの購入も適した書類がそろわないためにできません。

図書館として、銀行振り込み以外の方法に対応できればいいのにとも思います。
国内にいても手間がかかる購入方法なので、海外の図書館がクレジットでの購入ができなくて嘆く気持ちに共感してしまいます。


  • コンタクトアドレス

コンタクトアドレスをわかるところに書いてほしいという一文も見て、自分の図書館を確認してみると見つけれませんでした。
TELとFAXはあるのですがメールアドレスはありません。時差や言語を考えると問い合わせはしにくい気がします。


  • "場"としての活用

国際文化会館が研究者の交流の場となっているという話。
海外で日本研究する人が少なく、それをサポートできるところも少ないから、
利用しやすいところには集中するということですよね。
本書で強く言われるようにデジタル資料の不足は改善していったほしいし、一方でこういった場での交流も続いてほしいと感じました。


  • 自分ができること

自分ができることはなんだろうと考えます。
海外との直接のやり取りはないです。問い合わせも受けません。
カウンターで留学生さんに応対するくらいで、しかも文学部に来る留学生さんは日本語がお上手。
図書館報の編集担当を去年していて、新入生に使いやすい小冊子を作りました。
好評なら英語版もとのことで、各図書室のウェブサイトの英語を見てましたが、日本語のより記述が少ない。
「但し〜」の部分とかはほぼ訳されてなくて、利用者は困らないのかなと不安になりました。
コンタクトアドレスもなかったしまずは自分の図書館の英語サイトの充実でしょうか。
担当さんに聞いてみるところからスタートで。


  • 読んでほしい人

この本を薦めたいのは日本史や国文の学生さん研究者の方。
日本研究されてる外国の方が一番情報を求めている分野だと思います。日本の情報を求められていることを知ってほしいなと思います。
が自分自身日本史専攻していましたが、英語に苦手意識が強いです。英語を使わなくてもいいから日本史を選んだとも言えるくらい。
全員がそうではないでしょうが、この分野の方は英語への苦手意識がある人が多いのではないでしょうか。
のでそんな海外に発信したいけれど自信ない人向けセミナーをやってほしい!
国際課とか留学生課とかと連携したり。

たしか学内で英文誌投稿の説明会をやってたはず。こんな感じのものを。
http://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/modules/bulletin/article.php?storyid=928


とりあえず、読んで思ったことをつらつら書きました。



S